企業選びは2種類の軸から。就活もバランスが大事
就活マニュアルの盲点
企業の選び方については、多くのノウハウが存在します。キャリアカウンセラーや就活マニュアル本がよく主張するのが、「就活における軸を明らかにし、優先順位をつける」ことです。まずは、「これだけは欠かせない」という条件を挙げ、それを軸にして企業を探す。企業の面接においても、「就活の軸は何ですか?」との質問は定番です。面接対策としても有効なわけです。ただ、すべての人が確固たるこだわりを持っているわけではありません。絶対的な軸を持たないそんな人は、以下2つの軸の「バランス」を意識してみましょう。
意志と環境の2つの軸
企業に求める軸は大きく2種類あります。1つ目は、個人の希望を重視したもの。2つ目は、業務以外の生活を考慮したもの。前者を意志反映型、後者を環境反映型と呼ぶことにしましょう。意志反映型の軸は「プログラミング経験を活かし、IT業界でS成長したい」のような、「〜したい」からA社を希望するという発想であり、志望理由になる部分です。企業選びより前、業界選びの際に固めるべきだと思います。
一方、環境反映型は、企業規模、年収、労働時間、福利厚生などのを考慮した会社選びの軸です。実際の面接では「年収が高く、労働時間も短めで、世間からホワイト企業とされていることから御社を志望しました」とは言いにくいですが、必ずや気にする要素でしょう。
重視する軸が後者に偏ると、就職活動というより「就社活動」となり、いわゆる「大手病」になりがちです。依然として優秀な人材が集まる大手企業は、他企業よりも競争力が強く、地位や収入も高いのは変わっていません。とはいえ、「大手企業=絶対安定」の神話は昔より薄れており、持続的なキャリア成長を個人レベルでも意識する必要性は高まっています。
どの企業に行くかを考えることは、どう生きていくかを考えることでもあります。大手企業に入社し経済的安定を手に入れ、家庭を築いて贅沢な暮らしをする、というのもひとつ。ベンチャー企業に入って自社製品の普及に貢献し、会社を大きくしていくことに一番のやりがいを感じる人生もひとつ。自分が人生に対しどのような価値観をもっているのか理解し、そのうえで企業選びの軸を考えたいものです。