職場ストレスの悪玉と善玉。仕事の必要悪と割り切りながらも適度な変化・刺激を求めて付き合おう
許容範囲内のストレスは無視する
仕事上の適度な緊張・ストレス、それらを乗り越えることによる達成感は、生きがいを感じられる要素としてポジティブに受け取りたいものです。ストレスフリーを追い求めすぎず、その先に待ついいことを思い浮かべ、「なんとかなる」「仕方ない」という精神で受容するのも大切でしょう。もちろん「適度」というのがポイントなので、その辺のさじ加減は重要。自分自身のキャパシティをまず知ったうえで、ストレスが許容範囲を超えた際には周囲への相談・通院・休職・転職といったアクションを検討しましょう。ただ、ちょっとしたストレスに対して過度に反応しすぎるのはむしろストレスを増大させる行動。仕事は趣味とは違い、お客さまのため、会社のためにやっているわけですし、さまざまな人が関わっているので、対価としての給料を受け取っている以上、必要悪と割り切りたいと個人的には思っています。
「仕事は無駄だらけ」を受け入れる
職場に潜むストレスの根源はさまざま。退職理由の上位にランクインしがちなものには「人間関係」「業務量」といったものがあり、突き詰めると、それらのストレスと給料が見合わない点で会社を見切るアクションにつながるのだと思います。人間関係は、会社に原因があるというよりも結局は働く人々・個人の好き嫌いなので(企業文化・風土で集まる人の傾向はあるかも)、運ゲーの要素が強いです。ストレス原因のNo.1ではあるものの、なるべく接点を減らす(リモートワーク等)、割り切って付き合う、真に受けすぎないという方針でうまいことやるしかないでしょう。
業務量については、世の中の流れ的にも効率化を実施すべきかと思いますが、個人レベルでできることには限界があります。ITツール導入は経営レベルの判断になりますし、経営まで動かせれば超優秀人材ですが、そこまで実施するのはハードルが高いので、個人でできる限りの工夫はしつつ、非効率な調整業務なども程よく手を抜きながら付き合っていくのが無難だと考えます。人との付き合いも業務量も無駄が多いのは事実ですが、それらをスッキリさせようとしすぎないことが、職場のストレス対策です。身近な例に例えると、家が散らかっているという状態があったとして、それを「散らかっていて気持ち悪い」「片づけたい」と思ってしまうとストレスになります。「最低限よく使う場所だけちょっと片づけて、ほかは気にしなければいいか」くらいでとらえれば、ストレスの原因になりうるものがストレスではなくなるのです。
「刺激・変化=いいストレス」ほどよい成長を求めよう
ここからは、「嫌いな人がいる」「仕事多すぎ」みたいな「悪玉ストレス」ではなく、よりポジティブな「善玉ストレス」についても考えていきます。最初の一文でストレスが生きがいにつながると書きましたが、「刺激と変化」が得られるという点が理由です。慣れ親しんだ同じ仕事を繰り返すのはストレスフリーではありますが、マンネリ化・退屈も同時に感じさせます。人間は退屈に耐えられない生き物です。仕事を仕事だと割り切る視点は重要ですが、その分、プライベートで刺激や変化(子育て、趣味など)を求める必要があります。
ただ、ワークとライフの「ライフ」を優先させたとはいえ、会社員である以上、仕事が依然として存在感を持つのも事実。標準労働時間で1日きっかり8時間働いたとしても1/3も占めるわけです。となると、仕事にも、ある程度の刺激・変化は求めたいもの。「新しい仕事を任された」というストレスは、乗り越えることで達成感を得られます。さらには、自分自身の長期的なキャリア成長を意識できることは大きな喜びにつながります。「今の仕事は大変だけど、自分の価値を発揮できている、能力の開発につながっている」という意識が大切です。そうした感情を抱けておらず、ただただストレスを感じるばかりなのであれば、打開策としての転職も選択肢として出てきます。ストレスを活力に変えるためには、キャリア成長の意識は絶大な効果を発揮します。まずは自分の置かれている立場を見つめなおし、キャリアの棚卸しをすることが先決。ストレスを味方につけて、楽しみながら自分なりのキャリア形成を目指しましょう。